IELTS™アイエルツはInternational English Language Testing Systemの略称。世界120カ国で実施され、毎年350万人以上が受験する英語4技能(スピーキング、リスニング、ライティング、リーディング)の能力を測る英語試験です。年々受験者が増加する理由は国際的な認知度の高さです。IELTS™を認定している機関は世界中に11000以上あり、教育機関や企業でも注目され、進学・就職採用の基準ともなっています。IELTS™は、オーストラリアはもちろん、ニュージーランド、イギリス、カナダのほとんどの高等教育機関で認められており、大学や専門学校への入学の英語条件として幅広く利用されている他、移住のビザ発給に必要な英語力を証明するのにも最適な試験です。特にイギリスではビザ申請に必要な英語テストとしてTOEFL、TOEICに代わりIELTS™のみを採用しています。IELTS™は、留学・就労・移住などの目的に合わせ二種類のモジュールが用意されており、いずれも、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのテストで構成されています。(リーディングとライティングは、アカデミックとジェネラルでは試験問題が異なる。)リスニング、リーディング、ライティングは筆記試験でスピーキングは面接試験となりおおよその所要時間は3時間です。また、IELTS™受験生の多くはアカデミックかジェネラルですが、その他IELTS™ for UKVIといった試験があります。
■アカデミック・モジュール:進学・留学向けテスト
アカデミック・モジュールは、受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかどうかを評価するも試験なので、オーストラリアの大学や大学院では、アカデミック・モジュールでの試験結果が入学許可の判断基準となります。また、英語圏での看護師や医師登録申請を希望する場合も、このアカデミック・モジュールでの結果が必要です。
■ジェネラル・トレーニング:移住者向けテスト
英語圏で学業以外の移住申請や永住権などビザ申請で必要な英語証明です。その他、自分の英語力を試したい場合は日常英語が多用されるジェネラルに挑戦するとよいでしょう。IELTS™ for UKVI:イギリスビザ取得用
通常のIELTS™と同様にアカデミックとジェネラルがあり難易度も同じですが、イギリス内務省が認可したセキュリティの高い試験会場でしか受験できず、日本国内では東京と大阪の2都市に限られています。
イギリスでの生活に必要な英語力を試すリスニングとスピーキング試験です。
■IELTS™のスコア
IELTS™には合否判定はなく、各技能の正解数をもとに0から9点まで0.5点刻みのバンドスコアで評価されます。
IDP IELTS™ JAPAN公式サイトより9段階評価の内容は以下の通りです。
バンドスコア | レベル | 英語能力 |
9 | エキスパートユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確且つ流暢で完全な理解力がある。 |
8 | 非常に優秀なユーザー | 時折、非体系的な不正確さや不適切さが見られるものの十分に英語を駆使する能力を有している。慣れない状況においては誤解が生することもありえる。込み入った議論にうまく対応することができる。 |
7 | 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性があるが、英語を駆使する能力を有している。複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。 |
6 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。特に、慣れた状況においてはかなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5 | 中程度のユーザー | 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4 | 限定的ユーザー | 慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションが頻繁に途絶える。 |
3 | 非常に限定的なユーザー | 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションが頻繫に途絶える。 |
2 | 一時的なユーザー | 確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下でその場の必要性に対処するため極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。英語による会話、文章を理解することに苦労する。 |
1 | 非ユーザー | いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を駆使する能力を有していない。 |
日本英語検定協会「バンドスコアの解釈について」
日本人受験生のIELTS™バンドスコアの平均値は以下の通りです。一般的に海外留学に必要とされているバンドスコアが6.0なので、その基準値より下回っていることになります。特に4技能の中でもライティングとスピーキングの平均スコアが低く、英語をアウトプットする事を苦手としているのがわかります。
モジュール | リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング | 総合値 |
アカデミック | 5.9 | 6.09 | 5.41 | 5.59 | 5.81 |
ジェネラル | 5.85 | 5.53 | 5.38 | 5.7 | 5.67 |
IELTS™のライティングは合計60分以内にタスク1とタスク2に分かれた問題を完成させる必要があります。タスク1を20分、タスク2を40分でこなすのが目安となっています。
タスク1…図やデータを見てその内容を説明。図表の解析、比較などをして文字数150字以上で記載する必要があります。図表、データの要約問題なので、自分の考えは必要ないですが、いかに簡素に特徴をまとめて説明できるかが大切です。
タスク2…課題に対する自分の考えとその理由を知識、体験等を交ぜて250字以上で書くエッセイ形式の問題です。課題は近年の社会問題についての設問が多く、その問題について賛成か反対か自分の主張を明確にしたうえで、自分の主張の正当性を議論していきます。
IELTS™のライティングの採点基準はIELTS™公式band descriptorsによると以下の4つと記載されています。
①質問にきちんと答えているか(タスクの到達度)
②理論的であるか(論理の一貫性)
③語彙(適切な単語の選択ができているか)
④文法(文法の正確性)
それぞれのバンドスコアは上記4つを基準に設定されています。
例えばバンドスコア7の採点基準は以下の4つの英語力が必要とされています。
①基本的には全てのポイントがカバーされており、自分の意見を明確に示せている。説明不足な部分もあるが不適切はポイントはあってはならない。
②情報や考察が一貫しており、接続詞を適切に使いながら、論理的で明確にトピックを展開している。多少の間違いはあるが、口語表現を使わずアカデミックな語彙を十分取り入れている。
③短文があまりなく、複合文、重複文を使用している。
④複雑な文法を使用し、文法ミスが少ないこと。多少の間違いはあるが、文法と句読点を適切に使用している。
つまり、バンドスコア7を取りたい場合、文法の間違いを減らし、論理的で明確な長文を作れるようになる必要があります。IELTS™ライティング対策として、公式問題集を使って目標スコアとの距離を知ることから始めるとよいでしょう。そして、ライティングルールをしっかり知ってからそれに沿って書く練習と添削をしましょう。
IELTS™のスピーキングテストは、約14分程度、面接官と1対1で行われます。受験者によって難易度が変わるスピーキングテストですが、テストは共通して3つのパートがあり、様々なトピックについて質問されるので、自分の意見を交ぜながら適切に話しを広げる能力が必要とされます。
パート1…日常生活に関する質問や受験者についての質問など一般的な会話が中心になっている。(4~5分)
パート2…決められたトピックについて書かれたカードを受け取り、それについてスピーチをする形式。1分間でスピーチの準備をして、2分間のスピーチを行う後面接官より関連する質問を受ける。(3~4分)
パート3…パート2でのスピーチについて面接官から更に深堀した質問をされるのでディスカッションをしていく形式。(3~5分)
IELTS™のスピーキングテストでは以下の4つが採点基準となっています。
①流暢さと話しの一貫性
②語彙力
③文法の知識と正確さ
④発音
この4つの採点基準でバンドスコアを0点~9点でつけられます。
■各パートの対策
パート1…日常生活や受験者本人についての質問なので難易度が低いと思われがちですが、一般的な質問だからこそ真の英語力と語彙力が出やすいです。英語を単語や端的な文章で答えるのではなく、自分自身、家族、仕事、趣味など興味ある事柄だからこそしっかりとした長文で英語力を示すようにしましょう。その為にも事前対策として、よく使われるフレーズに当てはめて答えられるよう練習したり、英語で会話をする練習もとても大切になります。
パート2…決められたトピックについて文章を構成しますが、2~3分話すにはいろいろな表現で話しをする必要があります。端的な回答で済むものとある程度の情報が必要とされる回答とでは、自分の意見や体験を交ぜながら具体的に伝えることのできる後者の質問を重点的に、回答時間をしっかり残すとよいでしょう。
パート3…ディスカッションなので、パート2の回答から一貫性をもって意見する必要があります。事前の暗記したような文章では対応できない質問も多いので、意見を述べる練習が必要になります。また、ディスカッションでは同じ単語やフレーズばかり使わず同じ意味の違う単語を使い豊富な語彙力、多様な表現を示すとよいでしょう。
■IELTS™愛知試験会場
①Listening, Reading & Writing試験会場
JSAF IELTS 名古屋(オフィスパーク名駅カンファレンスセンター)/JSAF IELTS Nagoya(Office Park Meieki Conference Centre)
②ペーパー試験会場
名古屋大学 東山キャンパス
①JSAF IELTS 名古屋(オフィスパーク名駅カンファレンスセンター)/JSAF IELTS Nagoya(Office Park Meieki Conference Centre)
住所:〒450-0002 名古屋市中村区名駅3丁目22番4号 名駅前みどりビル5階・7階
アクセス:各線「名古屋」駅桜通口徒歩7分ユニモール(地下街)12番出口すぐ
地下鉄「国際センター」駅徒歩1分ユニモール(地下街)14番出口すぐ
セントレア(中部国際空港)から35分
②名古屋大学 東山キャンパス
住所:〒464-0814 愛知県名古屋市千種区不老町
アクセス:地下鉄名城線名古屋大学駅下車すぐ