TOEIC®は「Test Of English for International Communication」の略称で、世界160カ国で実施される英語コミュニケーション能力を公正公平に評価するグローバルスタンダードなテストです。近年、国際化が進み大学受験や企業の採用、昇格の基準などキャリアアップにも利用できることを理由に重要視される資格の一つとして、日本では約245万人が受験しており受験者数は世界一となっています。
・TOEIC®試験は年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)
・全国約80都市で実施
・受験料は7810円税込み(リピート割引、団体割引など各種割引あり)
TOEIC®には5種類のテストがあり、TOEIC® TestとTOEIC® Bridge Test と大きく2つに分けることができますが、TOEIC® Testが主流でTOEIC® Bridge Testは初級者用で主流のTOEIC® Testへの橋渡し役のテストとなっています。
主流のTOEIC® Testには
①Listening&Reading②Speaking&Writing③Speakingのみの3種類があり、一般的にTOEIC®といえば①となり、TOEIC®の総受験者の9割がこの①Listening&Readingの受験者です。以下TOEIC®①Listening&Readingについて解説をしていきます。TOEIC® Listening&Readingテストは日常生活やビジネスシーンで必要な実践的な英語をもとに出題され「聞く力」を測定するリスニング(45分間・100問)と「読む力」を測定するリーディング(75分間・100問)途中休憩なしの計2時間200問で構成されたマークシート形式の2技能型英語検定能力試験となっています。リスニング問題はパート1~4まであり、1枚の写真について放送された説明文について適切なものを選択する写真描写問題を始め、質疑応答、会話問題、説明文問題などが出題されます。リスニングの場合、一定のスピードで問題文と設問が放送されていくのでテンポよく回答していく必要があります。また、リーディングはパート5~7まで3パートあり短文穴埋め問題、長文穴埋め問題などがあります。リスニングと比べ制限時間内であれば自由に得意な問題から取り掛かることはできますが、難易度の高い問題が多く、英文の正確な読解力と読解スピードが必要とされます。
■リスニングセクション(100問/45分)
Part1 | Part2 | Part3 | Part4 |
写真描写問題 | 応答問題 | 会話問題 | 説明文問題 |
全6問 | 全25問 | 全39問 | 全30問 |
1枚の写真について放送される4つの説明から適切なものを選択 | 放送される1つの質問、発言について放送される3つの応答から選択 | 放送される会話について、問題用紙記載の設問の答えを4つの選択肢から選ぶ | 放送される説明文について問題用紙記載の設問の答えを4つの選択肢から選ぶ |
■リーディングセクション(100問/75分)
Part5 | Part6 | Part7 |
短文穴埋め問題 | 長文穴埋め問題 | 読解問題 |
全30問 | 全16問 | 全54問 |
1つの短文について4つの選択肢から適切なものを選択し、不完全な文を完成させる | 1つの長文について、4つの選択肢から適切なものを選択し、不完全な文を完成させる | 新聞、メール文章などについて2~5問の問題を解く。4つの選択肢から正解を選択する |
日本国内で人気のある英検と比べ異なるところは、学生、社会人問わず全てのレベルの人が同じ問題を受験するので簡単な問題から高度な問題まで混在している点です。一般的にTOEIC®テスト400~600点が英検2級、600~850点が準1級、850~990点が1級に相当する目安となっています。
テスト結果は合否ではなく、10点から990点まで5点刻みのスコアで表示されます。スコア平均点は毎回異なりますが、2022年5月のテスト(受験者数39784人)の回ではリスニングセクション324.4点、リーディングセクション278点、合計602.4点で受験者全体の4割が500~700点を占める結果となりました。近年、就職や転職する人にTOEIC®スコアを提出させる企業は多くなりましたが、特に大手有名企業は一定以上のスコアを採用条件にしています。以下有名企業の採用基準です。
社名 | TOEIC®スコア | 職種 |
楽天 | 800点 | 新卒・一般職 |
三井物産 | 800点 | 新卒・一般職 |
三菱商事 | 800点以上 | 中途・DX事業戦略作成 |
ニトリ | 750点以上 | グローバルトレーニー希望の場合 |
双日 | 730点以上 | 中途・企画/立案 |
丸紅 | 730点以上 | 中途・人事 |
伊藤忠 | 700点以上 | 新卒・総合職 |
大手企業の採用基準は高いですが、一般的に履歴書に書けるスコアは600点からと言われており、初めてTOEIC®を受験する方や初心者は、まずは今の自分のレベルから無理なく目指せるスコアを目標に据え、平均点(600点)前後を目指して学習を進めるとよいでしょう。過去問などからTOEIC®の出題傾向や難易度をチェックし、概要が掴めたところで模擬問題を解いて自分の英語力を確認してみましょう。最終的なスコアアップには、全問解答するために、時間配分や解き方がポイントとなりますが、先ずは、全体の流れを確認し、文章内容や会話シーンの傾向、単語傾向を大まかに把握することが大切です。初心者は、基本的な単語力の強化、リスニング力強化、文法書を反復し文法力強化などから対策を始め、過去問など実践的な練習をするとよいでしょう。
〈TOEIC®必要英単語の目安〉
・500点:4000語
・600点:5000語
・700点:7000語
TOEIC®のリスニングパートは4つありますが、注意すべき点はいずれのパートでも音声が一度しか放送されないことです。耳にした英文を日本語に訳していては理解が追いつかず聞き逃しの原因になってしまいまうので、たくさん英語の音声を聴くことで耳を慣らし英語脳を鍛える必要があります。また、リスニングを伸ばすために聴くことだけに特化して勉強するのではなく、リスニングを支える読解力と単語、文法の理解を同時に強化しましょう。リスニングの基礎となる発音、単語、文法の理解や読解力を学びながらリスニングスコアを伸ばす勉強法に以下のものがあります。
ディクテーション…英語の音声を聴き、聞き取れた文章を書き起こす勉強法。英語の音を集中して聞く事で、聞き取る力を鍛えることができる。また意味を理解しようと集中して聞く事で文法や文脈から推測して聞く力が養われます。書き起こし作業では、音声を聞きながら英単語を1つ残らず書き出し、正しく聞き取れなかった単語や文法は調べて理解しましょう。この勉強法は読めば理解できる程度の英語教材を使用することが大切で、TOEIC®のリスニング試験と同形式の問題を使って練習する場合、Part1・Part2の問題が適切でしょう。
シャドーイング…英語の音声を聞きながら追ってそれを真似して復唱する勉強法。音声を聞き終わってからでなく流れている音声を追って発音することで、聞く=インプットと話す=アウトプットが同時にでき効率的に学習できます。聞きながら意味を理解し、発音することを繰り返すことで、英語の語順で理解するスピードが上がってきます。
この勉強法では、発音の矯正と英語の語順で文章を理解する訓練、単語・文法のインプットが期待できます。
TOEIC®のテストでパート5~パート7までがリーディング問題になっており、主に文法問題と長文読解問題が出題されます。学校教育の影響もありリスニングよりリーディングの方が馴染みがある人が多いかもしれませんが、TOEIC®のリーディングパートはリスニングパートと比べても難しい単語や文法、難易度の高い文章が使われる上、制限時間の割りに問題数が多いので点が取りにくく、多くの人がリーディングパートの方がスコアが低いという結果になっています。リーディングパートでは事前に問題の特徴や傾向をしっかりと把握した上で、対策をたてるようにしましょう。点を伸ばすためには先ずTOEIC®で頻出する単語4000語を暗記し、文法の理解を深める必要があります。文法については先ず基礎を体系的に学習し着実に知識を積み上げていくのが大切になります。文法を暗記してしまい理論的に理解出来なければ、TOEIC®のパート5・6の問題で平均点も取れなくなってしまいます。また、リーディングパートでは1つ1つの文章はそれほど長くはありませんが、大量の文章を正確に読めなければ回答できません。その為、英文を1回で理解できる力も必要になります。英文を一度読んで理解できるようにするには、英文の精読、音読、多読などの訓練を通じ自然と文章を読むスピードを上げ、「英語を英語のまま、英語の語順で理解する」力を養っていくとよいでしょう。
■TOEIC®スケジュール
テスト種別:TOEIC®公式テスト
・2022年
・第302回2022年9/11午前
・第303回2022年9/11午後
・第304回2022年10/2午前
・第305回2022年10/2午後
・第306回2022年10/23午前
・第307回2022年10/23午後
・第308回2022年11/20午前
・第309回2022年11/20午後
・第310回2022年12/18午前
・第311回2022年12/18午後
・第312回2023年1/29午前
・第313回2023年1/29午後
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